青海湖へ菜の花畑を見に行ったその後の行程。 蘭州その2。 歴史好きには蘭州と言えば霍去病だけど、行ってみると違ったかも?
旅のきっかけ | 青海湖湖畔の菜の花畑を見たくて。 |
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年/月 (何日間) | 2017年08月(12日間) |
人数 | 1人 ( 1 女性 ) 50代 |
都市 | 蘭州(中国) |
キーワード | 中国 |
この地図は百度地図の蘭州市を加工したもの。2017年当時工事中だった地下鉄(黄河の下の青線)も2019年に開通したらしい。市内観光は月曜になってしまったので省博物館は休館。残念ながら銅奔馬は見られなかった。銅奔馬は武威市の雷台漢墓から出土したもので、ツバメを踏んで飛ぶように走る銅の馬のこと。郭沫若が「馬踏飛燕」と名付けたことで有名。蘭州駅前にもオブジェとして立っている。昔、盗まれたというニュースが流れたが、戻ってきたのかな?■写真2の右端、写真3の中央の像が銅奔馬。
蘭州では昔懐かしい中国のバス停が健在だった。上部に四角い看板があり、路線毎に停留所一覧が掲載されている。昔から使われているものが残っている、という街はあるが、新しいモノはなかなか見ない。
七里河黄河橋北から20路のバスで緑色公園下車、水車博覧園へ。ここには中国の水車や灌漑用の道具、水車と連動した粉挽き用具等が展示されている。竜骨車(写真2)の実物を初めて見た。竜骨車をこいでみると、揚水機としてはかなり効率が悪い感じ。
水車博覧園の目玉、巨大水車「左公車」。左公とは清末の官僚、左宗棠(さ・そうとう)のこと。彼が陝甘総督だったころ、灌漑用に導入したらしい。どのくらい巨大なものかこの目で見てみたいと思っていたが、蘭州市内でレプリカが見られてラッキーだった。
平凉路北口から36路で五泉広場へ。五泉広場は市バスのターミナルで、五泉山公園の目の前。五泉広場から蘭新線(蘭州〜ウルムチ間の鉄道)を跨いで五泉山公園へ。ここでも着ぐるみの孫悟空が観光客の相手をしている。
五泉山公園は皋蘭山(こうらんざん)北麓にある。漢の驃騎将軍・霍去病(かくきょへい)所縁の5つの泉が湧いていることから、ここは五泉山とも云われている。そんな訳で五泉山公園の北門を入ると霍去病像がある。…この霍去病は年の割に落ち着いた感じに造られている。青年には見えない(笑)。
漢軍が匈奴征伐でこの地に駐留した際、水不足で困っていたところ、霍去病が地面に剣を立てると、そこから水が湧いたという伝説がある。湧いたとされる泉は、恵泉、甘露泉、掬月(きくげつ)泉、摸子(ばくし)泉、蒙泉の5つ。5回刺したのね(笑)。写真は恵泉。
五泉広場から139路で中山橋へ。中山橋は黄河に初めて架かった鉄橋で1909年8月に開通した。1954年に行われた補強工事で、鉄橋の5カ所にアーチ鉄骨が加えられ、橋の強度と耐荷性が向上したらしい。現在は歩行者用の橋。
中山橋を渡ると白塔山公園。この山は山頂に白塔があるので白塔山と呼ばれている。昔から軍事の要衝で砦が築かれていたそうだ。清代には慈恩寺という山寺があったが、1958年に白塔山公園になった。
三星殿の裏の谷間に窰洞があった。窰洞は黄土高原に見られる洞窟式住居で冬は暖かく、夏は涼しいらしい。以前は鄭州〜西安間の列車からも結構見られたが、最近見ない。窰洞には地面に10m四方の坑を掘り、坑の壁面に横穴を掘るタイプもある。このタイプは80年代に乾陵の近くで見たけど、歩いていると突然巨大な坑が現れ、落差は6-7mあるので知らないとかなり危ない。窰洞は西安の寒窰に行けば見学できる。■写真3/白塔山の頂上には黄河対岸からロープウェイでも上がれる。
白塔は高さ17m。チンギス・ハーンに謁見しようとしたチベット僧が蘭州で病没した為、後に、その供養の為に建立されたそうだ。元がチベット仏教を庇護したのは、確かチンギス・ハーンの孫の代。現存の白塔は明代に再建されたもので、清代になると拡充され慈恩寺とになった。見た感じ白塔では無くなっているが、昔は白かったのかな?汚れた??白塔寺前からは黄河、中山橋、蘭州市街、晴れていれば市街の向こうに五泉山が一望できる。