源氏物語ゆかりの地《現在》📕 紫式部公園・石山寺… を歩く👟 紫式部もビックリ❗️

紫式部は今から1000年ほど前の平安時代に貴族のお姫様として京の都に生まれました。〈紫式部が人生でたった一度都を離れて住んだ〉とされているのが武生です。《父 藤原為時》が武生の国府(県知事)に任じられたので、紫式部も同行しました。

紫式部を記念して造られた平安式庭園で、池と朱塗りの橋と青空が見事に調和して綺麗でした。隣接する藤浪亭は無料の休憩所で、食事もできるし お土産も買えます。紫式部に関する資料もありました。

紫式部は特殊な経歴の持ち主です。学者であった父に男の子のように教育され、ほとんど家の外へ出る機会のなかった当時のお姫様たちに比べ、かなり行動的です。武生に住んだり 宮廷に出仕したり、あちこちのお寺にも参り、その経験が源氏物語に活かされています。

紫式部が生まれて11年後、父為時は式部の丞(すけ)蔵人という役職に就いています。紫式部の〈式部〉はここから付けられ、藤原家の出身なので、当時は〈藤式部〉とよばれていました。『紫』は、諸説ありますが… 多情な光源氏に生涯を通して愛された唯一の女性《紫の上》から、後年、名付けられたと言われています。

すでに源氏物語を書き始めていた紫式部は宮中では有名人。時の権力者《藤原道長》の娘 彰子の女房に迎えられました。彰子は帝の正妻(中宮)であり、宮廷の内部事情を間近に見ていた紫式部だからこそ、源氏物語は珠玉の名作となったのです。

源氏物語は長〜い物語なので、読んでる途中で息切れします。現代語訳を読むより〈漫画・ダイジェスト版〉で🔸簡単に・好きな所・ポイントだけ 見る方が面白いです。

写真は源氏物語の研究者が、何とか源氏物語に親しんでもらおうと、涙ぐましい努力をして、出版されているものです。見やすく整理してイラストを多用し、かなり分かりやすく解説しています。書店やネットで購入しました。

🔹光源氏は、このお寺にお参りしようと近くの逢坂の関を通りかかり《空蝉》とすれ違います。光源氏は人妻である空蝉に以前フラれたことがありますが、再びチャレンジ！ ホントに懲りない人です。

開基は聖武天皇、由緒あるお寺です。石山寺の名前の由来になった大きな岩があり、天然記念物です。ここで源氏物語を執筆したと伝えられています。

藤原家は学者・文学者の家系で父為時も有名な学者でした。紫式部は子どもの頃から非凡で、文学的才能を高く評価され、彰子の家庭教師に選ばれました。源氏物語は貴族の女性たちの間で大人気！ 女性だけでなく男性ファンも多く🔸当時関白であった藤原道長もその１人、石山寺での執筆活動を支援したのも道長です。

石山寺の近くには和風のお店がいくつもありました。しじみ釜飯は美味しかったぁ〜
🍱 旅の途中に出会った美味しいものをこれほど鮮明に写真で紹介できるなんて、1000年前とは、旅の様子も様変わりです。

紫式部の家は御所のすぐ東側にありました。紫式部が生まれた頃、藤原家は中流以下の貴族でしたが、代々続いた藤原北系の家柄でした。

現在はお寺になっています。紫式部は早くに母を失い父方の実家で育ちました。当時、国府には莫大な賄賂が入っていたそうで、紫式部の実家は裕福なお家でした。

平安時代は大きなお寺でしたが、現在は大徳寺の別坊になっていて、わかりにくい所にあります。晩年、紫式部はこのお寺に住んでいたと言われ、ここから歩いて数分の所にお墓もあります。

平安時代、この辺りには貴族のお墓が多かったそうですが、不思議なことに小野篁(たかむら)のお墓がこの右側に並んでました ✨ なんで？… 篁は遣隋使 小野妹子の末裔で、それは小野小町に繋がり、やがては、小野政次(NHKの女城主直虎で 高橋一生が演じた)に繋がる家系だそうです。現在、このお墓は島津製作所の敷地内にあり、ご好意で開放されています。

《夕顔》とは源氏物語に登場するお姫様で、この辺りに住んでいたとされています。もちろん架空の人物ですが… 源氏物語を愛するあまり、こんなものもできています。京都には多いとか…

ぜんざいにお抹茶が付いたセットですが、ぜんざいの中にお抹茶を入れると 新感覚❣️ の美味しさです。あずきと抹茶は仲良しですから … 夕顔のお墓から歩いて２分ほどです。

(三千院・寂光院は源氏物語と直接関係ないようですが…) 宇治川で入水自殺をはかろうとした《浮舟》は延暦寺の僧侶に助けられ、小野の里▫️(大原・八瀬あたり)で、仏門に入ります。迎えに来た《薫》を振り切り、長編小説 源氏物語はここで終わります。

壇ノ浦で滅亡した平家の生き残り 建礼門院徳子は、大原の地へ移送されここが終の住処となりました。その名も「寂光院」✨ 涙ですね… 浮舟も徳子も同じ入水自殺… 紫式部のずっとあとも 悲しい女性の生涯は繰り返されます。

現代の平等院は外国人であふれ、写真を撮るのもひと苦労ですが、紫式部が生きていた頃、平等院はまだ今の形ではありませんでした。道長の息子、藤原頼道が代々受け継いだ別荘を改築・創建しました。

源氏物語の主人公 光源氏には多くの恋人・奥さんが登場します。《花散里》とよばれる人は、恋人というより頼りになるお姉さん的存在だったようです。

☕️タイトル写真の艶やかな屏風はここで購入したものです。

皇室との関係が深く、本殿は我が国最古の神社建築。宇治は光源氏亡きあと源氏物語の重要な舞台です。

宇治十帖に登場する《八の宮》の山荘は、宇治上神社がモデルらしいです。確かに神社というより、民家のような雰囲気がします。八の宮は光源氏の異母兄弟。

1000年前の宇治川は、水量も多くさぞ 美しかったことでしょう。宇治川を舞台にした「宇治十帖」🔸光源氏の息子《薫》と孫の《匂宮》が主人公。その２人に同時に愛された女性《浮舟》は、三角関係に苦悩し入水自殺をはかり、記憶喪失…

記憶喪失を題材として取り上げたのは、源氏物語が最初だと言われています「こんな書き方もあります。この手法はどうでしょう？」そんな紫式部の声が、聞こえてきそうな文体や構成が、きっと当時の貴族たちを魅了したのでしょう。

当時の女性の名前は、紫式部のような有名人でも表に出ることはありませんでした。近年の研究で紫式部の名前は《香子・かおりこ or たかこ》ではないかと言われています。

夕顔の娘《玉鬘》は、幼少の頃 筑紫(九州)で育ちましたが、長谷寺参りの途中で生き別れた乳母と偶然 再会し、その後 幸せをつかみます。

この時代、貴族の奥様やお姫様たちは信心深く、紫式部と同時代の🔸蜻蛉日記の作者 藤原道綱の母🔸更級日記の作者 菅原孝標の娘 などもお参りしています。仏教文化が盛んだったのです。

四季を通して咲き誇る美しい花々でも有名です。霊験あらたかな古いお寺は、山や岩などの自然の地形を利用しているようですが、登廊(のぼりろう)などは代表的(写真中央)。他にも振り返って見ると、絵のような写真のような 忘れられない光景がいくつもありました。

光源氏は、宮廷に上がることが内定していた右大臣のお姫様と恋仲になったことがバレてしまい、右大臣の逆鱗に触れ、自ら須磨に赴きました。ここでの祈願がきっかけで運が開け、明石の君と出会い栄華を極めます。

のちに須磨から明石に居を移します。当時は京の都から見れば、須磨や明石は左遷の地でした。紫式部が現代にタイムスリップして、明石海峡大橋や大鳴門橋を見たら、驚いて腰を抜かすでしょうね … 😵

源氏物語は難しい…😥 1000年も昔の貴族の生活や宮廷の習慣は、まったく想像もつかず… ✨だからこそ 夢中になるのかもしれません。分からないことは直接、見に行く。これからも少しずつパズルを解くように源氏物語を楽しみたいと思います。