歴ヲタ一人旅ー①大津皇子ゆかりの二上山登山と万葉歌碑めぐり

二上山神社口駅から登山開始します。登山ルートの説明は葛城市のHP「二上山イラストマップ」で検索してください。二上山は二つ山頂があり、雄岳と雌岳がありますが今回は大津皇子の墓のある雄岳をさくっと登山してきました。この日は天気が悪く登山を悩みましたが決行しました。案内板に大伯の歌が書いてあるだけですでにテンションあがります。

ちなみに私は登山とランニングが趣味なので、1時間半で登って下りてきましたが、もっとゆっくり楽しんだほうがいい山です。登山道は整備されていましたよ。
麓の二上神社を参拝し、横の登山口から登山開始します。害獣予防の門はしっかり閉めましょう。トイレは数か所ありますが、飲み物は駅の自販機で買わないと途中にコンビニなどはありません。

途中で道を間違えたようで「初心者向けの山」と思えないコースになってしまいました。動揺してピンボケです。これまで道に迷ったことがないのによほど浮かれていたのでしょうか。分岐の案内板がでてきたときはほっとしました。

宮内庁の看板のある大津皇子の二上山墓。こんな山の中に墓があるなんて淋しそう、でも大伯は見ることができるからいいのかしらなどと、空想をはせていると通りがかった登山客の方に「これは誰の墓？何をした人？」と聞かれ一言では答えられず・・・

雄岳の山頂です。雌岳を通って大阪側に降りることも可能です。（その場合は、バスになります。電車の場合は當麻寺に出るほうが良いと思います）途中から天気が良くなりましたが紅葉には少し早く静かな山でした。

下りのルートに水場あり。登山道は概ねこのように整備されています。祐泉寺という紅葉で有名な場所がありますが、まだこちらも時期が早いようでした。この後はひたすらゆるく下って行くと当麻寺につきます。

二上山から当麻寺に下る途中にある古墳です。こちらが本当の大津皇子の墓なのではないかとの研究者もいます。7世紀後半に築造された一辺約7.6ｍの方墳です。横口式石槨で二上山の凝灰岩を使用しています。時代的にもあうし、謀反の罪に問われた皇子をどこからも見られる山頂に埋葬するか？など考えるとこちらの方が合っているかもしれません。中は空なのですが、あわせてお参り。

桜井市には春日神社がいくつかありますが、奈良県桜井市吉備259にある無人の小さな神社に大津皇子と大伯皇女の歌碑があります。「金烏臨西舎　鼓声催短命　泉路無賓主　此夕離家向　(懐風藻　大津皇子)　神風の伊勢の国にもあらましを　何しか来けむ君もあらなくに　(巻２－１６３　　大来皇女)」

春日神社のすぐ横に吉備池があり、この土手を登ると大伯と大津の歌碑があります。
こちらは「うつそみの人なる吾や明日よりは二上山を弟背と吾が見む」です。この碑の後ろ青丸部分に二上山が見えます。

こちらは大津皇子の碑です。「ももつたふ磐余の池に鳴く鴨を　今日のみみてや雲がくりなむ」
万葉歌碑めぐりは桜井市の観光案内所でもらった地図に番号が振ってあり、歌碑の歌と意味も分かるようになっていました。地図をもらって見ていたら偶然見つけたのでこれは探し当てなくては、と。

御厨子観音前に大津皇子の歌碑がありました。この碑の東側に磐余の池があったと伝えられているようですが、碑文が読めないほどに苔むしていました。

大津皇子の歌碑のすぐそばに御厨子神社があります。こちらは清寧天皇の磐余甕栗宮があったと伝えられています。境内に月輪石というまっぷたつに割れた不思議な石があります。参道は竹林の中を進み静寂なのですが、境内が御厨子観音（妙法寺）と一緒になっていて、拝殿の写真を撮り忘れたようです。

御厨子神社の境内を歩いていたら御厨子観音の本殿に着きました。吉備真備が遣唐使として派遣され無事帰国されたことを感謝して創建しました。「ぼけよけ24地蔵尊霊場」の第14番目の霊場になっているようです。